2023年12月8日金曜日

「千早古神世も聞かず 」これがすごい。業平は絶世の美女という言葉は知らなかったが、

括り染は、布の所々を糸でくくり、そこを白く染め残して模様を出す染め方。また、その模様。絞り染め
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■ 2023-12-09
■ 例えば、小倉百人一首など、古典に親しむのは昔の人はどのように感じどのように表現したか、
■ 言葉とはなにかに興味がある。
■ そして、自分はどのように表現するか、ということだ。
■ 詩人がどのような感性で、どのような言葉として、捉えるかは、まあ、読んでもいいかとは思うが。
■ 自分ならどう書くか、昨日ちょっと目にした歌をとりあげよう。まず

佐伯梅友校注・古今和歌集・岩波文庫
ちはやぶる神世もきかず たつた川からくれないに水くゝるとは  なりひら朝臣

■ この歌の心をどう自分の歌につなげるかだけれど、その前にどのように表記するかだ。
■ 「ちはやぶる」とあるが「ぶ」はもともと濁点が付いていたのか、疑問だ。
  • 千早古 神世も聞かず 竜田川 韓紅に 水潜るとは  遊水
■ 「千早古」については先に夏目漱石の句もあげた。
■ 疑問の余地はない。
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■ 次は、「水くゝ」これを「くくり染め」だと解釈したのは賀茂真淵だそうだが、
■ これはごく普通にみて疑問。
■ そのさまを自分で画用紙に描いてみればいい。
■ 賀茂真淵は、頭でっかちの、奇をてらう、癖があったかのような人で、
■ 人と違うことをいい、他人の注意を引くかのようだ。
■ 絞った部分は染まらず白く残る。
■ どんな形で残るのか、到底、紅葉の葉には見えない。↑、絞り染め
■ 又「から紅」に染めるということは全体としては赤い布になる。
■ 赤い川に白い紅葉、ということになる。
■ 赤いのは紅葉でしょ。それが白なら、何これ、ということだろう。
■ そして、一番重要なのは、在原業平の気持ちはどうだったのか、だ。
■ 古今和歌集・巻第五・秋歌下の「そせい」の歌の詞書にある状況だった。
■ 屏風絵を見て二人が詠んだ。
■ その屏風の持ち主は、「二条の后」即ち、業平が恋した、というか、愛した女だった。
■ Wikipedia の絵↑、にもあるような関係だった。
■ その人に贈る歌に、自分の心を託さないはずはない。
■ 川が真っ赤に染まるほどに浮いた一面の紅葉は当然、二条の后、即ち、藤原高子で、彼女への思いを、その真紅の紅葉の下を流れる川に託した、と解するのがごく常識的のように思われる。
■ そして、
  • 千早古 神世も聞かず
■ これがすごい。
■ いままで歴史上もないほどの美しさだ。
■ 美しい紅葉だ。
■ 絶世の美女、という言葉が今はある、業平の時代にはなかったのだろう。
■ 「絶世」を言い換えれば「神世も聞かず」となる。
■ その美しい紅葉のようなあなた。
■ 竜田川、即ち、私の上に浮かんでいる。
■ 当然「括る」ではない「潜る」という表現になる。
■ まあ、人がどのように解釈するかは、人それぞれかもしれないが、通説などどうでもいい。
■ 自分はどう感じ、どう評価し、どう自分のものとするかだ。

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