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2025年1月2日木曜日

和泉式部、歌の手本に。


小式部内侍 - Google 検索 和泉式部の娘

■ 2025-01-02
■ 塚本邦雄・新選・小倉百人一首に「讃岐の作は、これの模倣と見られるがいかがであらう。」とあったので、ちょっとgoogle してたら、↑、こんなのがあったので、そのうち見てみよう。何かの参考にはなるだろう。
■ さて、・・・
わが袖は水の下なる石なれや人に知られで乾く間もなし  和泉式部
わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそしらねかわくまもなし  讃岐

■ なるほど。
■ 先に、
■ こんな頁を書いたが、当時、和泉式部の歌はよく知られていたというで、・・・
■ 娘の小式部内侍がからかわれるほど、和泉式部は歌が上手かったということだろう。
■ で、和泉式部の歌を読んでみるのがいいだろう。
■ 和泉式部については、・・・

2024年12月28日土曜日

玉の緒

■ 2024-12-27
■ 塚本邦雄・新撰・小倉百人一首に、和泉式部の歌があった。
■ 百人一首・式子内親王の歌と並べ置いてみよう。
  1. 逢ふことを息の緒にする身にしあれば絶ゆるもいかが悲しと思はぬ  和泉式部
  2. ・・・
  3. 絶え果てば絶え果てぬべし玉の緒に君ならむとは思ひかけきや  和泉式部
  4. たまの緒よ絶えねば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする  式子内親王
■ 状況は違うけれど、式子内親王は和泉式部の歌を知っていたと思われる。
■ 和泉式部に言い寄ったのは誰か。
■ その男の歌に、・・・
絶え果てぬ
玉の緒
■ こんな言葉があったと思われる。 

2024年11月19日火曜日

身にしむ色の秋風、をもう一度、と、蛍の歌



■ 2024-11-19
■ 塚本邦雄は新小倉百人一首の和泉式部の歌として
  • 56 秋吹くはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ    和泉式部
■ この歌を上げている。
■ 「身にしむ」については以前書いた。
■ この際、これらをまとめ比較してみよう。

秋吹くはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ  和泉式部
しろたへの袖の別れに露落ちて身にしむ色の秋風ぞ吹く  藤原定家
若き日は見えざりしこの風のいろ身にしむ色の風の秋なる  小島かおり
母逝きて はや幾年か 忘れども 身にしむ色の 秋風ぞ吹く  橋本遊水

■ 色は「ような」という意味。

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「いろ」は色彩の色でなく、辞書には/顔色、ようす/種類、しな/情趣、味わい/やさしさ、情け/……とあり、「風情」といつたところか。今風に言えば「カンジ」である。従って、・・・


■ さて、塚本邦雄は藤原定家の小倉百人一首を凡作だと貶すがどうだろう。
■ まあいいか、そのうち私も何か選んでみよう。
■ その一つとして

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黒髪のみだれもしらずうち臥ふせば まづかきやりし人ぞ恋しき  和泉式部


■ こんな歌を選んでいた。
■ この歌の方が塚本邦雄選よりいいと思うが、定家・小倉百人の歌は、当時の人間関係なども考えられていることを思えばそのままでもいいのかもしれない。
■ 書き並べてみよう。

あらざらむこの世の外の思ひ出に今一度の逢ふこともがな    和泉式部 藤原定家選
秋吹くはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ  和泉式部 塚本邦雄選
黒髪のみだれもしらずうち臥ふせばまづかきやりし人ぞ恋しき  和泉式部 橋本遊水選

■ ・・・・

○   ○   ○

■ ついでに・・・
■ この動画で「その中から2句紹介します」と言っているが「2首」といってほしいものだ。
■ 重箱の隅ではあるけれど、・・・
■ しかし、まあ、こういう解説があるのも悪くない。
  • もの思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞ見る   和泉式部
■ この歌も上げている。
■ そして、紫式部の評についてもふれていた。
■ 紫式部・源氏物語・玉鬘の蛍の歌は、・・・
  • 声はせで身をのみ焦がす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ
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■ 蛇足ながら、比較してみると面白い。

2023年11月28日火曜日

金葉和歌集、部立で「恋」はあっても「愛」はないのか


金葉和歌集 源俊頼
白露も 夢もこの世も まぼろしも たとへていはば ひさしかりけり : 名歌鑑賞のブログ (blog.jp)

■ 2023-11-28
■ 金葉和歌集巻第八 恋部下の最初の歌は良暹法師の歌だったので、ちょっと見た。
■ あまり面白くはない。
■ 解説頁の初めに、・・・
・・・
巻末に近い題読人不知の和歌以下は、日常的・俳諧的な作風で、本集が目指す特色が顕著。 

■ なるほど。
■ で、そのあたりを見た。

「題読人不知」歌群はユニークな技巧の作が続く。俊頼の創作か。

■ そして、 恋部下の最後の歌は

  恋歌人々よみけるに、よめる。
あさましやこは何事のさまぞとよ恋ひせよとても生まれざりけり  俊頼

■ 丸谷才一・新々百人一首では、俊成の一首としてこの歌を取り上げている。

勅撰和歌集の選者が一番苦労するのは、恋歌の部のおしまいをどうするかだらう。
・・・
また「後拾遺集」もなかなかうまく行っていて、
つゆばかり逢ひそめたる男のもとにつかわしける
しら露も夢もこの世のまぼろしもたとへていはば久かりけり  和泉式部
   脚注に(現代語訳) 
という絶唱で、嫋々と恋のはかなさを嘆きながら、恋愛一般を総括している。選者・通俊の才気の冴えと言わなければなるまい。「金葉集」も負けていない。
・・・
自分が生まれたのは恋せよと命ぜられて生まれたわけではなかったのに、それなのにこんなふうに恋をしている、このざまは何だ。
・・・ 
■ と書いている。
■ まあ、それはそれで、いいのだろうけれど。
■ 恋の歌より愛の歌、があった方がいいのではないかと思う。
■ 当時は「愛」という言葉がなかったのか、・・・