■ 垂直階段は前にも見たような、・・・
廬山草堂 夜雨独宿、牛二・李七・庾三十二 員外寄す 白居易
丹霄攜手三君子
白髮垂頭一病翁
蘭省花時錦帳下廬山雨夜草庵中
終身膠漆心應在
半路雲泥迹不同
唯有無生三昧觀
榮枯一照兩成空
和漢朗詠集巻下「山家」
■ 2025-08-10
半路雲泥迹不同
唯有無生三昧觀
榮枯一照兩成空
和漢朗詠集巻下「山家」
蘭省花時錦帳下 廬山雨夜草庵中
藤原公任 草の庵を 誰か訪ねむ
藤原公任 草の庵を 誰か訪ねむ
蔵人挙直 九重の 花の都を おきながら
■ 「ひとつだけ」だと言われても、こまる。
■ 「ひとつだけ」選ぶのはなかなか難しいけれど、気楽にやればいいのだう。
■ 百人一首もそんな感じで見ればいいのだろう。
■ そんなことを思いながら、・・・
■ 先日、ついでに買った、大庭みなこ・現代語訳・枕草子を見ていたら、
第八十二段、頭の中将、藤原斉信さま第八十四段、橘則光とのこと
■ こんなのがあり、面白く読んだ。
■ 橘則光は清少納言の夫だった男だが、
則光はつねづね「いっておくけど、おれにはぜったい、歌など詠んでよこさないでくれ。歌はかたきみたいなもんだ。もうこれをかぎりに別れよう思うときに歌をよこしたらいい。」といっていたので、返事に、くずれよる妹背の山のなかなればさらによしのの河とだに見じと書いてやったが、ほんとうに見もしなかったのであろうか、返事もなかった。
■ 歌心のない男と別れた時の話だ。
■ 彼ばかりでなく、頭の中将や、とりまき連中も、清少納言からの返事に四苦八苦のようだ。
「こにくらしい女だ。しかし、これだから、あの女は無視するわけにもゆかない。」とこの手紙のまわりにあつまってさわいだ。「これに上の句をつけてやらねば男がすたる。源中将つけてくれ」と夜がふけるまでみんなで頭をひねった。いい知恵もうかばなかったが、こういう受け答えは後の世にもかたりつがなければといった、たいそうなもてはやし方だった。・・・
■ 歌心のない男たちの話だ。
■ というか、上の句は、蔵人挙直、がつけているので、それ以上の句を考えられなかった。
■ 頭の中将から手紙がきて、
蘭省花時錦帳下
この「末はいかに、末はいかに」ということだった。白居易の詩の一部だが、これは和漢朗詠集にある「蘭省花時錦帳下 廬山雨夜草庵中」の廬山雨夜草庵中を求めたものと思われるが、それは知っているが、そのまま書けば、いかにも知っているぞ、となるので、草の庵を 誰か訪ねむ、と書いてやった。
■ それが良く、以前の夫の橘則光も鼻高々で、翌朝「おまえのことでゆうべからたいへんなうわさだ。早く耳にいれようと思って、ゆうべはろくにねむれなかった。あんなに面目をほどこしたことはないね」などということで、結果的に、頭の中将の方が機嫌を直した、という話。
■ 舌足らずで、面白さの説明になってないけれど、
■ ちょうど、久方の、の歌について書いていたので、関連して
■ 歌心がないと、歌を詠むのは難しいが、読んで分からないというのも、つまらないものだ、と思った。分かれば、まあ、うまく収まるということか。