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2025年8月10日日曜日

「ひとつだけ」だと言われても、を書きかけていたけれど別の話になったコト

■ 垂直階段は前にも見たような、・・・



白氏文集卷十七 
廬山草堂 夜雨独宿、牛二・李七・庾三十二 員外寄す 白居易

丹霄攜手三君子
白髮垂頭一病翁
蘭省花時錦帳下
廬山雨夜草庵中
終身膠漆心應在
半路雲泥迹不同
唯有無生三昧觀
榮枯一照兩成空

和漢朗詠集巻下「山家」
蘭省花時錦帳下 廬山雨夜草庵中

藤原公任 草の庵を 誰か訪ねむ
蔵人挙直 九重の 花の都を おきながら 




■ 2025-08-10
■ 「ひとつだけ」だと言われても、こまる。
■ 「ひとつだけ」選ぶのはなかなか難しいけれど、気楽にやればいいのだう。
■ 百人一首もそんな感じで見ればいいのだろう。
■ そんなことを思いながら、・・・
■ 先日、ついでに買った、大庭みなこ・現代語訳・枕草子を見ていたら、

第八十二段、頭の中将、藤原斉信さま
第八十四段、橘則光とのこと

■ こんなのがあり、面白く読んだ。
■ 橘則光は清少納言の夫だった男だが、
則光はつねづね「いっておくけど、おれにはぜったい、歌など詠んでよこさないでくれ。歌はかたきみたいなもんだ。もうこれをかぎりに別れよう思うときに歌をよこしたらいい。」といっていたので、返事に、
くずれよる妹背の山のなかなれば
さらによしのの河とだに見じ
と書いてやったが、ほんとうに見もしなかったのであろうか、返事もなかった。

■ 歌心のない男と別れた時の話だ。
■ 彼ばかりでなく、頭の中将や、とりまき連中も、清少納言からの返事に四苦八苦のようだ。
「こにくらしい女だ。しかし、これだから、あの女は無視するわけにもゆかない。」とこの手紙のまわりにあつまってさわいだ。「これに上の句をつけてやらねば男がすたる。源中将つけてくれ」と夜がふけるまでみんなで頭をひねった。いい知恵もうかばなかったが、こういう受け答えは後の世にもかたりつがなければといった、たいそうなもてはやし方だった。・・・

■ 歌心のない男たちの話だ。
■ というか、上の句は、蔵人挙直、がつけているので、それ以上の句を考えられなかった。
■ 頭の中将から手紙がきて、
蘭省花時錦帳下
この「末はいかに、末はいかに」ということだった。
白居易の詩の一部だが、これは和漢朗詠集にある「蘭省花時錦帳下 廬山雨夜草庵中」の
廬山雨夜草庵中
を求めたものと思われるが、それは知っているが、そのまま書けば、いかにも知っているぞ、となるので、草の庵を 誰か訪ねむ、と書いてやった。
■ それが良く、以前の夫の橘則光も鼻高々で、翌朝「おまえのことでゆうべからたいへんなうわさだ。早く耳にいれようと思って、ゆうべはろくにねむれなかった。あんなに面目をほどこしたことはないね」などということで、結果的に、頭の中将の方が機嫌を直した、という話。
■ 舌足らずで、面白さの説明になってないけれど、
■ ちょうど、久方の、の歌について書いていたので、関連して
■ 歌心がないと、歌を詠むのは難しいが、読んで分からないというのも、つまらないものだ、と思った。分かれば、まあ、うまく収まるということか。