歌の心 2024-03-04

■ 2024-03-02、/ 04

万葉の 歌を枕に 千年の 時空を超えて 遊ぶ日もあり

言の葉の 一つ一つに 込められし 歌の心を知るぞ 楽しき


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うたえらぶ ひとのこころに おもいよせ わがうたにかえ かきならべたり


  1. 鎌倉と 戦し破れ 流刑地の 隠岐の島なる 天の高さよ
  2. あの頃の 愛と妬みと 裏切りの 世を思う故 もの思う身は
  3. あの人と ともに使いし この枕 顔をうずめて 思い寝るかな
  4. 藻塩焼き 心焦がして 来ぬ人を 松帆の浦の 夕凪ろかも

  5. 朝凪に 玉藻刈りつつ 浜乙女 我の見初めし 彼の人は誰
  6. 万葉の 言葉拾えば 蘇る こぬひとをまつ 乙女心に
  7. 古の 松を待つとの 掛詞 昭和の街に 「まつのき小唄」

  8. 目の前の 奈良の湖水を 見下ろしつ 雨乞い願う 亜米之香來山
  9. 民人が 衣洗いて 干したるか 木の間に白く 夏は来にけり

  10. 古の 都の跡は 何処なる ただ水鳥の 波に群れ鳴く
  11. さざ波や ながらの寺の 山桜 散る人はなお 空しかりけり
  12. その場所を 訪ねてみんか ひとり我 恋や忘るか ユウスゲの花

  13. 行き違う 月の満ち欠け 陽の光 こころ惑いて 歌に詠みけり
  14. 千早古 京の都の 春たつ日 氷も解けて 鶯の声
  15. 麗らかな 美空にひばり 鳴き昇る その歌かなし 独りし思えば

  16. 汀まで 駒打ち 駆けて 見返れば 不二は真白に 立にけるかな

  17. 伊勢の海 浦漕ぐ舟の 梶を無み 世を倦み渡る 我ぞ悲しき
  18. 標なき 海に我が船 かぢをなみ 潮の流れに 身をまかせつつ
  19. 色見えで 移ろうものは 世の中の 人の心の 紫陽花の花
  20. 紫陽花の 色移りゆく 長雨に 小野小町の 昔も今も
  21. 古の 大和心よ 春の日に 色は変わらず 散る桜かな

  22. 久しぶり 光のどかな 春なれど 心乱して 花は散りゆく
  23. うららかな こころまちした はるなのに きもちもしらず はなはちりゆく
  24. 娘らの 華やぎ過ぎる 花吹雪 影歩まする 敷石の路

  25. 東風吹かば 匂いおこせる 梅の花 人は逝くとも 花は変わらず
  26. はなかおる きせつとなれば ことしまた なつかしみつつ おもいおこせり
  27. あなたから 手紙が届き 春となる 窓を磨いて 明日を待とう
  28. 鶯の 囀り楽し 小倉山 道行く我に 付き來るごとく
  29. 柔らかな 風に気付いた その後に 春が来たぞと 鶯の声

  30. 千年の 永き月日や 春の雪  十大で弟子の 淋しきろかも
  31. 嫁ぎ行き 人はなけれど 沈丁花 春ぞ昔の 香に匂いける
  32. 花薫る 季節となれば 今年また 昔のことを 思い出すかな
  33. 出会いとは かくなるものと 知りながら 心悩みて 会いにけるとは
  34. その上を 歩いてみたく なるほどに 水面に浮かぶ 桜なるかな
  35. みよしのの よしののやまの やまざくら さくらふぶきと なりにけるかな

  36. 柏餅 山ホトトギス アオバズク 例年通り 時移りきて
  37. 青丹吉 千里緑地の 散歩道 心楽しき 翡翠の色

  38. 夏去れば 外の遊びも あきの風 淋しさ寄せる 人も無き浜
  39. 秋風や 貫きとめぬ 白露の 玉と散りける 朝の光に
  40. 鶉鳴く 伏見の里の なごり今 地名に残る 深草の秋
  41. 淋しさに 梅田の街に 出てみれど 人混みの中 知る人もなく
  42. 都まで 三里の路の ゆきかえり いずこも同じ 秋の夕暮れ
  43. 山おろし 庭の草木も 荒れ果てる 山風なれば 嵐なりけり

  44. 言の葉の 内なる心 蘇る その歌詠みし 人の心が
  45. 玉の緒よ 心と心 結ぶ糸 忍びきれずに 断ちにけるかな
  46. 玉の緒よ 心と心の 糸電話 隠しきれずに 断ちにけるかな
  47. 絶世の 紅葉うかべて 竜田川 昔も今も 変わることなく

  48. ひとのよは むかしもいまも かわらない うたをよみつつ なみだしにけり
  49. 真夜中の 真白き霜か 月光か 想いおこす 故郷の山
  50. さかるひの 夜々の面影 かきくらし 雪とふりぬる 年の暮れかな
  51. 人の名と 面影偲ぶ カルタとり 有馬稲子を 忘れやはする
  52. 束の間の 出会いもあるさ それだけで 別れ行くこと 昔も今も
  53. さよならの 言葉は直に 伝えたい それも叶わず 離ればなれに

  54. ほんとかな 噂してると 人の言う これが恋かと 気付く間も無く
  55. 千早古 神代にあらず 人の世の 心は今も 歌の言葉に
  56. 夜に歌 聞きつつ紙に 書きつける 言葉はいつも 失恋の歌
  57. 別れても 友達だから いいでしょう たまにはお酒 淋しい夜に
  58. いい返事 私がしないと 言うけれど そういうあなた 誰と寝てるの
  59. 夏の夜 ふっと心に 流行り歌 思い出しつつ 眠りゆくかな
  60. コーヒーを ともに飲もうよ 明くる朝 空しく明けて 独り飲みけり
  61. 今日もまた あなたはそれを 歌うのか 昨日の夜の 小指が痛い 

  62. つくばねの みねよりおつる 男女川 恋ぞふかみて 愛となりけり
  63. 戦なき 世は望まれど 今日もまた 武器が欲しいと 言いつのる人
  64. 日の本の 人に等しく 光あれども 悪しき言葉に 命悲しき
  65. 心なき 身にも無念は 知られけり 射殺されたる  人し思えば

  66. 争いの 後の御霊を 鎮めんと 奈良には多き 仏なるなか
  67. 世の中に 絶えて戦の なかりせば 人の心は のどけからまし
  68. 原爆忌 その日ばかりは 巡り来て 生きて返らぬ 人ぞ悲しき
  69. ゆるやかに 心の氷 溶けてゆく グラスの中の 氷のように
  70. 忘れろと 言えない けれど 人の世の 忘れることの 優しさ思う

  71. 観覧車 まわりつづける 想い出は 人それぞれの 記憶の中に
  72. 20年 あの人どこに 春駒の 思い出かなし 草千里浜

  73. 今日来るか 今日は来るのか 渡り鳥 金木犀の 咲き初める頃
  74. 月見れば 昔を今に 思いけり 涙ににじむ 秋の夕暮れ
  75. かの人は 悲しい心 歌にする 我が身ひとりの 秋にあらぬと
  76. 分かれ道 向こうの道は どんな秋 ふと立ち止まる 時ぞ悲しき

  77. 遠ざかる 夜々の面影 かきくらし 雪とふりぬる 年の暮れかな
  78. 踏み行きて 行けば帰らぬ その道を 返り見すれば 雪に埋もれて
  79. 嘆けとて 時は流れて ゆくならば この日溜りに 冬のひと日を

  80. 生きてゆく ことの易しさ 難しさ 石川啄木 じっと手を見る
  81. 命なき 砂の哀しさ さらさらと 握れどすぐに こぼれ落ちゆく
  82. かの日々が 青春なのか 砂浜に 今は静かに 寄せる波かな
  83. 東海の 小島の磯の 波の音 涙あふれて 止めかねつも
  84. 恋想う 吉井勇も 啄木も それぞれの土地 それぞれの川
  85. かにかくに 昔の歌を 恋想う 時の流れの 岸辺に立ちて

  86. 咲ききれぬ 我が身なりせば 桜花 また来る春の 心憂きかな
  87. 嵐ふく 庭の桜の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり

  88. みぎのての ゆびをほのかに ほほによせ よのひとおもう みほとけのかお
  89. みぎのてを やさしくそっと さしのべて くだらかんのん たちにけるかも
  90. ゆくかわの ながれはたえず しゅんじゅうの うつろうときの さみしかりけり

  91. その時が いつか来るとは 知りながら それが今日だと 思わざりけり
  92. 若きの 母の写真の アルバムを 開き見る手の しばし止まりて
  93. 母逝きて はや幾年か 覚えねど 身にしむ色の 秋風ぞ吹く

  94. きのうきょう そしてあしたと いうけれど きのうはずっと とおくかなたに
  95. おもいでは とおいむかしの ことなれど いまものこれり こころのすみに

  96. 生き急ぐぐ ことなく我は 世に生きて うつらうつらと クマゼミの声
  97. 平凡に 過ぎ去る日々の 速いこと 今日も昨日と 変わることなく
  98. ふっくらと これはおいしい 炊きかげん 新米ですよと 妻の声する
  99. 多過ぎる 言葉は いつか 消えるだけ 心に残る 歌はあるのか

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  1. この季節 小野小町を 思ひ出す 色移りゆく 紫陽花の花
  2. お互いの 心に花を 咲かせたい だけど見えない 花の色まで
  3. 降る雨に 色移りゆく 紫陽花を 愛でつつ哀し 人の心は
  4. 桜散り 雨降り続く 日に我は 心静かに 紫陽花の花
  5. ながあめに そとをながめて あじさいの いろうつりゆく さまをたのしむ
  6. つれづれに うたよみおれば あめのひに あじさいのはな さきにけるかな
  7. いにしえの きょうのみやこの あじさいを めでつつかなし いろうつりゆく
  8. こいおおき おののこまちの よむうたの こころとことば りにかないけん
  9. はなざかり はなよりだんごと さわぐひと おののこまちの こころもしらず
  10. へいあんの はなはさくらと ひとのいう ぞくせつなれば わかりやすけれ
  11. いにしえの きょうのみやこの さくらばな ゆきとふれども いろはかわらじ
  12. よのなかに ことばともじが あるかぎり どこかになにか あとものこらむ
  13. よのひとの きおくのどこに のこるのか われさりゆけば それもいみなく
  14. つまんない うめだのまちに でてみたが どこもおなじで みたされないよ
  15. 入相の 鐘に花散る 家路かな

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