■ 2024-11-01 脱字、誤記を幾つか訂正した。
■ 2024-03-02、/ 04
万葉の 歌を枕に 千年の 時空を超えて 遊ぶ日もあり
言の葉の 一つ一つに 込められし 歌の心を知るぞ 楽しき
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うたえらぶ ひとのこころに おもいよせ わがうたにかえ かきならべたり
- 鎌倉と 戦し破れ 流刑地の 隠岐の島なる 天の高さよ
- あの頃の 愛と妬みと 裏切りの 世を思う故 もの思う身は
- あの人と ともに使いし この枕 顔をうずめて 思い寝るかな
- 藻塩焼き 心焦がして 来ぬ人を 松帆の浦の 夕凪ろかも
- 朝凪に 玉藻刈りつつ 浜乙女 我の見初めし 彼の人は誰
- 万葉の 言葉拾えば 蘇る こぬひとをまつ 乙女心に
- 古の 松を待つとの 掛詞 昭和の街に 「まつのき小唄」
- 目の前の 奈良の湖水を 見下ろしつ 雨乞い願う 亜米之香來山
- 民人が 衣洗いて 干したるか 木の間に白く 夏は来にけり
- 古の 都の跡は 何処なる ただ水鳥の 波に群れ鳴く
- さざ波や ながらの寺の 山桜 散る人はなお 空しかりけり
- その場所を 訪ねてみんか ひとり我 恋や忘るか ユウスゲの花
- 行き違う 月の満ち欠け 陽の光 こころ惑いて 歌に詠みけり
- 千早古 京の都の 春たつ日 氷も解けて 鶯の声
- 麗らかな 美空にひばり 鳴き昇る その歌かなし 独りし思えば
- 汀まで 駒打ち 駆けて 見返れば 不二は真白に 立にけるかな
- 伊勢の海 浦漕ぐ舟の 梶を無み 世を倦み渡る 我ぞ悲しき
- 標なき 海に我が船 かぢをなみ 潮の流れに 身をまかせつつ
- 色見えで 移ろうものは 世の中の 人の心の 紫陽花の花
- 紫陽花の 色移りゆく 長雨に 小野小町の 昔も今も
- 古の 大和心よ 春の日に 色は変わらず 散る桜かな
- 久しぶり 光のどかな 春なれど 心乱して 花は散りゆく
- うららかな こころまちした はるなのに きもちもしらず はなはちりゆく
- 娘らの 華やぎ過ぎる 花吹雪 影歩まする 敷石の路
- 東風吹かば 匂いおこせる 梅の花 人は逝くとも 花は変わらず
- はなかおる きせつとなれば ことしまた なつかしみつつ おもいおこせり
- あなたから 手紙が届き 春となる 窓を磨いて 明日を待とう
- 鶯の 囀り楽し 小倉山 道行く我に 付き來るごとく
- 柔らかな 風に気付いた その後に 春が来たぞと 鶯の声
- 千年の 永き月日や 春の雪 十大で弟子の 淋しきろかも
- 嫁ぎ行き 人はなけれど 沈丁花 春ぞ昔の 香に匂いける
- 花薫る 季節となれば 今年また 昔のことを 思い出すかな
- 出会いとは かくなるものと 知りながら 心悩みて 会いにけるとは
- その上を 歩いてみたく なるほどに 水面に浮かぶ 桜なるかな
- みよしのの よしののやまの やまざくら さくらふぶきと なりにけるかな
- 柏餅 山ホトトギス アオバズク 例年通り 時移りきて
- 青丹吉 千里緑地の 散歩道 心楽しき 翡翠の色
- 夏去れば 外の遊びも あきの風 淋しさ寄せる 人も無き浜
- 秋風や 貫きとめぬ 白露の 玉と散りける 朝の光に
- 鶉鳴く 伏見の里の なごり今 地名に残る 深草の秋
- 淋しさに 梅田の街に 出てみれど 人混みの中 知る人もなく
- 都まで 三里の路の ゆきかえり いずこも同じ 秋の夕暮れ
- 山おろし 庭の草木も 荒れ果てる 山風なれば 嵐なりけり
- 言の葉の 内なる心 蘇る その歌詠みし 人の心が
- 玉の緒よ 心と心 結ぶ糸 忍びきれずに 断ちにけるかな
- 玉の緒よ 心と心の 糸電話 隠しきれずに 断ちにけるかな
- 絶世の 紅葉うかべて 竜田川 昔も今も 変わることなく
- ひとのよは むかしもいまも かわらない うたをよみつつ なみだしにけり
- 真夜中の 真白き霜か 月光か 想いおこす 故郷の山
- さかるひの 夜々の面影 かきくらし 雪とふりぬる 年の暮れかな
- 人の名と 面影偲ぶ カルタとり 有馬稲子を 忘れやはする
- 束の間の 出会いもあるさ それだけで 別れ行くこと 昔も今も
- さよならの 言葉は直に 伝えたい それも叶わず 離ればなれに
- ほんとかな 噂してると 人の言う これが恋かと 気付く間も無く
- 千早古 神代にあらず 人の世の 心は今も 歌の言葉に
- 夜に歌 聞きつつ紙に 書きつける 言葉はいつも 失恋の歌
- 別れても 友達だから いいでしょう たまにはお酒 淋しい夜に
- いい返事 私がしないと 言うけれど そういうあなた 誰と寝てるの
- 夏の夜 ふっと心に 流行り歌 思い出しつつ 眠りゆくかな
- コーヒーを ともに飲もうよ 明くる朝 空しく明けて 独り飲みけり
- 今日もまた あなたはそれを 歌うのか 昨日の夜の 小指が痛い
- つくばねの みねよりおつる 男女川 恋ぞふかみて 愛となりけり
- 戦なき 世は望まれど 今日もまた 武器が欲しいと 言いつのる人
- 日の本の 人に等しく 光あれども 悪しき言葉に 命悲しき
- 心なき 身にも無念は 知られけり 射殺されたる 人し思えば
- 争いの 後の御霊を 鎮めんと 奈良には多き 仏なるなか
- 世の中に 絶えて戦の なかりせば 人の心は のどけからまし
- 原爆忌 その日ばかりは 巡り来て 生きて返らぬ 人ぞ悲しき
- ゆるやかに 心の氷 溶けてゆく グラスの中の 氷のように
- 忘れろと 言えない けれど 人の世の 忘れることの 優しさ思う
- 観覧車 まわりつづける 想い出は 人それぞれの 記憶の中に
- 20年 あの人どこに 春駒の 思い出かなし 草千里浜
- 今日来るか 今日は来るのか 渡り鳥 金木犀の 咲き初める頃
- 月見れば 昔を今に 思いけり 涙ににじむ 秋の夕暮れ
- かの人は 悲しい心 歌にする 我が身ひとりの 秋にあらぬと
- 分かれ道 向こうの道は どんな秋 ふと立ち止まる 時ぞ悲しき
- 遠ざかる 夜々の面影 かきくらし 雪とふりぬる 年の暮れかな
- 踏み行きて 行けば帰らぬ その道を 返り見すれば 雪に埋もれて
- 嘆けとて 時は流れて ゆくならば この日溜りに 冬のひと日を
- 生きてゆく ことの易しさ 難しさ 石川啄木 じっと手を見る
- 命なき 砂の哀しさ さらさらと 握れどすぐに こぼれ落ちゆく
- かの日々が 青春なのか 砂浜に 今は静かに 寄せる波かな
- 東海の 小島の磯の 波の音 涙あふれて 止めかねつも
- 恋想う 吉井勇も 啄木も それぞれの土地 それぞれの川
- かにかくに 昔の歌を 恋想う 時の流れの 岸辺に立ちて
- 咲ききれぬ 我が身なりせば 桜花 また来る春の 心憂きかな
- 嵐ふく 庭の桜の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり
- みぎのての ゆびをほのかに ほほによせ よのひとおもう みほとけのかお
- みぎのてを やさしくそっと さしのべて くだらかんのん たちにけるかも
- ゆくかわの ながれはたえず しゅんじゅうの うつろうときの さみしかりけり
- その時が いつか来るとは 知りながら それが今日だと 思わざりけり
- 若き日の 母の写真の アルバムを 開き見る手の しばし止まりて
- 母逝きて はや幾年か 覚えねど 身にしむ色の 秋風ぞ吹く
- きのうきょう そしてあしたと いうけれど きのうはずっと とおくかなたに
- おもいでは とおいむかしの ことなれど いまものこれり こころのすみに
- 生き急ぐ ことなく我は 世に生きて うつらうつらと クマゼミの声
- 平凡に 過ぎ去る日々の 速いこと 今日も昨日と 変わることなく
- ふっくらと これはおいしい 炊きかげん 新米ですよと 妻の声する
- 多過ぎる 言葉は いつか 消えるだけ 心に残る 歌はあるのか
- この季節 小野小町を 思ひ出す 色移りゆく 紫陽花の花
- お互いの 心に花を 咲かせたい だけど見えない 花の色まで
- 降る雨に 色移りゆく 紫陽花を 愛でつつ哀し 人の心は
- 桜散り 雨降り続く 日に我は 心静かに 紫陽花の花
- ながあめに そとをながめて あじさいの いろうつりゆく さまをたのしむ
- つれづれに うたよみおれば あめのひに あじさいのはな さきにけるかな
- いにしえの きょうのみやこの あじさいを めでつつかなし いろうつりゆく
- こいおおき おののこまちの よむうたの こころとことば りにかないけん
- はなざかり はなよりだんごと さわぐひと おののこまちの こころもしらず
- へいあんの はなはさくらと ひとのいう ぞくせつなれば わかりやすけれ
- いにしえの きょうのみやこの さくらばな ゆきとふれども いろはかわらじ
- よのなかに ことばともじが あるかぎり どこかになにか あとものこらむ
- よのひとの きおくのどこに のこるのか われさりゆけば それもいみなく
- つまんない うめだのまちに でてみたが どこもおなじで みたされないよ
- 入相の 鐘に花散る 家路かな
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