2023年12月11日月曜日

行き違う 月の満ち欠け 陽の光 こころ惑いて 歌に詠みけり


■ 2023-12-11
■ 二条のきさき、の歌は勅撰和歌集には一首しか取り上げられてないようだ。
■ 古今和歌集、他、にあるその一首は
  • 雪のうちに春はきにけり うぐひすのこほれる涙 今やとくらむ  二条后
■ この歌を、丸谷才一は新々百人一首に取り上げている。
■ 彼は「うぐいすの氷れる泪」をとりあげ、

人は泣いて涙を流す
鳥も鳴くから泪を流す

■ といった擬人化した捉え方を昔の人はしていた、としてそのあたりを色々書いている。
■ そして、勢いのあまり、松尾芭蕉の、いわゆる矢立の初めの句にまで及んでいる。
■ まあ、そのあたりについては先にも書いた。↓
■ 古今和歌集における二条きさきの歌は暦に関して取り上げられている。

巻第一 春歌上
1 年の内に春はきにけり ・・・ 在原元方
4 雪のうちに春はきにけり ・・ 二条后

■ どちらも、月の周期と太陽の周期の差による暦と季節の整合性の問題を意識している。
■ 今、西暦が一般に普及して、和暦へのなじみが薄くなっているが、
■ 月の満ち欠けは視覚的につかみやすいと言えるので、
■ 自然を身近に感じていた人の意識に存在していた。
■ ここにあげた、古今和歌集の「春はきにけり」は二つの歌に違いがある。
■ 元方の歌では、「春」は正月というか元日の意味で使われている。
■ 二条后の歌では、立春のことのようだ。
■ さて、人の歌のこころを自分ならどう詠むか、だけれど、・・・

雪のうちに春はきにけり うぐひすの
こほれる涙 今やとくらむ

雪のうちに春はきにけり うぐひすの
とまどう声に 足をとどめて 

■ こんな歌もアリかもしれないが、・・・

春たつ日 早やウグイスの 声きけど われゆく道に 雪は降りける

■ 捉えなおすこともできるだろう。
■ まあ、いろいろ、やってみるといい。

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行き違う 月の満ち欠け 陽の光 こころ惑いて 歌に詠みけり  遊水


■ ・・・


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