丸谷才一・後鳥羽院 - Google 検索 ・・・読んでない。
わたつうみの-なみのはなをは-そめかねて-やそしまとほく-くもそしくるるさらてたに-おいはなみたも-たへぬみに-またくしくれと-ものおもふころひとはよも-かかるなみたの-そてはあらし-みにならひにも-つれなかるらむうつつには-たのめぬひとの-おもかけに-なのみはふかぬ-にはのまつかせ
■ 2024-01-07
■ ・・・
- 社会的どのような存在であったか
- 一個の人間としてどのような人であったか
- 何を、あるいは誰を評価したか
- 歌人としてどのような「ことば」により、何を表現したか
- 誰が評価しているのか
- ・・・
■ 人を見る時、幾つかの側面があるだろう。
■ 後鳥羽院に関しては、結局のところ、罪人として終わったということだけれど、・・・
■ 和歌の作者、新古今和歌集の選者・鑑賞者・批評家としての後鳥羽院がいた。
■ 文芸評論家・丸谷才一は、新々百人一首で、後鳥羽院の、海辺時雨、を取り上げている。
わたつうみの波の花をばとりつとも人の心をいかが頼まむ 紀貫之
- わたつ海の波の花をは染かねて八十島遠く雲そしくるる 後鳥羽院・海辺時雨
ながつきのしぐれの雨にぬれとほり春日の山は色づきにけり 万葉集
しぐれの雨まなくし降れば真木の葉もあらそいかねて色づきにけり 万葉集 ○
しぐれの雨染めかねてけり山城のときはの森の真木の下葉は 能因
やよ時雨もの思ふ袖のなかりせば木の葉ののちに何を染めまし 慈円
わが恋は松をしぐれの染めかねて真葛が原に風さわぐなり 慈円 ○
夕まぐれ鴫立つさわのわすれ水思ひいづとも袖は濡れなむ 慈円
深緑あらそひかねていかならん間なくしぐれのふるの神杉 後鳥羽院
■ ここでちょっと横道、「ふるの神杉」・・・布留・石上神宮
■ あれは、どこの杉だったか、・・・秋立つや千早古る世の杉ありて 漱石。香椎宮
■ 関係なかったか。
なき人のかたみの雲やしをるらん夕べの雨に色は見えねど 後鳥羽院・雨中無常
恋すとて袖には雲のかからねど泪の雨はをやみだにせず 後鳥羽院
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人にはつげよあまの釣船 小野篁
色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける 小野小町 ◎
うつろひし心の花に春くれて人もこずゑに秋風ぞ吹く 藤原良経 ◎
うつろひぬ心の花は白菊の下おく色をかつうらみても 藤原定家
人ごころうつりはてぬる花の色に昔ながらの山の名もうし 後鳥羽院
■ その他の歌も引きながら解説している。
■ これらの歌の言葉を辿りながら、後鳥羽院の歌の多層の構造を理解するのも大変だ。
単なる冬歌ではなく恋歌という層をもつ
時雨は言い寄る男、山の草木は言い寄られる女という単純な比喩叙景歌
・・・
■ 丸谷才一は、書いている。
- 波がしらの白は時雨によってぜったい色を改められない。・・・が、それにもかかわらず、時雨は波の花を染めようと欲しながら瀟々と降りそそぐ。さういふ憂愁と悲劇性を彼は沈痛に歌ったのである。
■ まあ、そういうことですか。
■ この歌をとらえるにしては手が込みすぎている。
■ 定家の選んだ、百人一首の歌、それでいいように思う。
■ こんな詠み方、解し方、しかできないのであれば、仕方ない。
■ 定家が選んだ歌は、まだ若いころの歌であり
■ 丸谷才一が選んだ歌は、流刑地での歌という違いがあるということだろう。
■ 最初にあげた4首を見ると、そんな感じだ。
■ 同じ人の歌であっても、・・・
■ 年齢の違いとか境遇の違いで歌風も変化すると言えるのかもしれない。
■ まあ、いい。
■ 後鳥羽院の歌とは関係なく、丸谷才一が取り上げた歌でいいのもある。
小野小町 ◎ うまいものだ。藤原良経 ○ 春くれて、秋風ぞ吹く、・・・時間経過がありすぎのようにも思う。万葉集 ○慈円 ○
■ ついでながら、後鳥羽院は次の人を評価していた。
- 西行
- 慈円
- 藤原良経
- 式子内親王
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■ 丸谷才一は文芸評論家ではあるが、歌人ではないようだ。
■ つまり、評論の対象を必要とする。
■ 評論するということは、いい面、を見つけ出し評価することだ。
■ ただ、つまらんモノをこき下ろしてもしょうがない。
■ 評論、ではなく、事実とは何かということを述べるときは、つまらんモノをのつまらなさについて言及する場合はある。
■ 私の場合、俳句や短歌を表現の一つとしている。
■ なので、ことば、の面から現在、過去の作品を読み、日本語の表現について考え、自分の作品につなげてゆこうと思う。
■ 評論家にとって、評論の対象になるモノが必要だが、歌人は歌い継げばいい。
■ 私だったら、こんな歌にする、と。
■ 現在・過去・未来というつながりとなる。
■ 言葉とはそうしたものだ。
■ ついでに、・・・
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