- 右近は、何ほどの者でもないが、夕顔の形見と思っていて、目をかけていらっしゃるので、古参の女房の一人として、お仕えしている。
- 紫の上に女房たちは皆預けたときから、そちらに仕えている。気立てはよく控え目な性分と見られていたが、
このころ、幼き人の女房などに時々読まするを立ち聞けば、ものよく言ふものの世にあるべきかな。虚言をよくしなれたる口つきよりぞ言ひ出だすらむとおぼゆれど、さしもあらじや」
とのたまへば、
「げに、偽り馴れたる人や、さまざまにさも汲みはべらむ。ただいと真のこととこそ思うたまへられけれ」
- 中将の君は、まだ小さい頃から見馴れていたのだが、ごく内密に見過ごすこともできない折があったであろうが、紫の上に申し訳ない気がして、親しくはしていなかったが、こうして亡くなった後は、色めいた筋ではなく、紫の上が誰よりもかわいがっていたこともあり、形見と思って、あわれに思っていた。心ばせ容貌などもよく、形見とした気配は、何でもなかった場合よりは、好ましく気が利いていると思うのだった。
- 中将の君が、東面にうたた寝しているのを、近寄ってみると、たいそう小柄でかわいらしく起き上がる。顔つきはあでやかで、寝起きの上気した顔を隠して、少し乱れた髪などが風情がある。
- 本当に愛おしくて、(源氏)「普通は執着を見捨ててしまうのだが、この葵だけは摘んでいきそうだ」など、ひとりだけは、見捨てないつもりらしい。
■ 2024-09-11
■ 「中将の君」は「右近」なのかな、と思ったが、どうなんだろう。
■ それはさておき、
- 玉鬘
■ この人が出て来るところは面白い。
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