■ 2023-10-10
■ 昔、ある人が気が付いた。
■ 自分も含め存在している世界を、
■ 自分は5つのコトでとらえていると。
■ 即ち、
- 眼で見て分かるコト
- 他の感覚、耳、鼻、舌、肌で感じられ分かるコト
- 言葉
- 思いや意志
- 知識
■ これらのコトで私は世界をとらえ知っている。
■ しかし、これらのコトで知り分かったと考えられるモノは
■ 例えば、・・・
■ ディジタル・カメラでとらえ記憶素子に存在するモノ■ 即ち、眼でとらえたモノは実体があると一応考えられるが■ 自分がとらえたモノと他の人がとらえたモノは同一ではないし■ 自分自身が写し捉えたモノもその時々で同一ではなく異なる。■ 果たして、それが実体であるのか。■ 捉えたと言えるのか。■ また、カメラで用いられる記憶素子はSDなどが使われるが、■ SDカードが既にメモリー容量の限界まで使われていたら、■ それ以上写し捉えることはできないし、■ SDカードをカメラに入れるのを忘れていたら、全く写し捉えることはできない。
■ それは、紙に文字や絵などを描き書くときでも同じで、もともとは白紙だ。
■ からっぽ、即ち、空であるから実体をとらえ得るし、
■ 写し捉えた、と思っても、野鳥が飛んで、写っていたのは枝だけのこともある。
■ 手振れでボケていたり、暗くて鮮明でないこともある。
■ それは実体、つまり捉えようとしたモノではなく、空と同じだ。
■ だから、私としては、例えば、野鳥撮影では、使用機材や天候など状況もあるが・・・
- そのとき無理なく撮れる鳥を撮れるように撮ればいい
■ 一般的に、人の言葉や、単なる知識や、目的意識などに左右されず、・・・
■ 実行することに尽きる。
■ ・・・
■ 昔、玄奘三蔵と呼ばれた人がインドから持ち帰えり中国語に翻訳したお経がある。
■ それに書かれていた5つのコトで悟りを得たと言われる人を、観自在菩薩といい、
■ そのお経を般若波羅蜜多心経と名付けた。
般若は根源的智慧波羅蜜多は原語のパラミータ、即ち、完成
■ 当時、これが完成した智慧であり真言であるとされた。
■ そして、本来、人には誰にでも潜在的にこの智慧があるので、
■ 例えば、座禅などで雑念を払い、既成の概念にとらわれず、
■ 空の意味を体得することが大切だ、と。
■ そうすれば、無の意味を知ることができ、・・・
■ 例えば、死を恐れることもなくなる。
■ などと、後半に書かれている。
■ この般若心経自体も、ひとつの知識であるから、意識することもなくなる。
■ ・・・
■ 昔、釈迦の教えを受けた、ある人が考えたことを、書き留めた人がいた。
- 中村元・紀野一義訳注・般若心経、金剛般若心経、岩波文庫
■ この本に、慈雲尊者が筆者した「般若心経」や、法隆寺に伝わるサンスクリット語で書かれた、世界最古の、インドにもない「般若心経」写本の写真が掲載されている。
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■ ついでながら、「慈雲」という文字がここに見られる。
■ 先に、「慈雲明彩」という戒名について書いたが、↑、この戒名をつけた住職は、
■ 知識として、「慈雲」を知っていたと思われる。
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