2025年7月14日月曜日

紀貫之の歌の解釈を比較してみる。花ぞむかしの香に匂いける

■ 2025-07-14
■ 百人一首はいつくかの時代を経て多くの人が解釈などしている。
■ 比較するのもいい。
■ 学者、歌人、詩人、小説家の解釈を取り上げ参考にしてみよう。

学者、
あなたの方は、さあどうだか、お気持ちも知られないけれど、さすがにこの旧都奈良では、花の方だけは、昔のままの香で咲き匂っていますね

歌人、
人の心はなるほど見定めがたいもの、とはいえ、むかしの時間が残るふるさとには、梅の花が咲き、変わらぬ思いがここにあるようになつかしい香りを漂わせている。

詩人、
人のこころは
さあ、わからない
揺れ動き
あてにならないものだが
ふるさとの梅は
こうして 今も 香っている
昔と 少しも 変わらずに
 
小説家
あなたは さあね
どんなお心かはわかりませんが
この昔なじみのふるさと
そこに咲く花は
昔にかわらぬよい匂いで私を迎えてくれますからねえ

紀貫之 
はつせにまうづるごとに、宿りける人の家に、ひさしくやどらで、程へて後にいたりければ、かの家のあるじ、かくさだかになんやどりはあると、いひいだして侍りければ、そこにたてりける梅の花を折りてよめる
人はいさ こゝろもしらす ふるさとは 花そむかしの かにゝほひける  紀貫之

遊水
あなたの気持ちは知りませんが、ふるさとだと思っていますよ私は
昔変わらぬ、この花の香のようにふくよかな匂いのあなたがいるのですから

■ この歌を誰に渡したのか考えれば、堅物のような貫之だとて、この程度のベンチャラは言うたんちゃうかいな。
■ 花そむかしの、の花は、やはりこの歌を渡した相手の女のことを指していると思われる。あなたは昔と変わりまへんなあ。お肌つやつやでんがな。

宿の女将
よおいうわ
けど、よう来てくれはりました
さあ、のんでおくれやす

■ 奈良の都から離れた初瀬の方の地方言葉は知らないが、適当に書いてみた。

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