2025年5月2日金曜日

美智子歌集・ゆふすげ、「まこと雪かと花舞ひしきる」 2025-05-31


■ 2025-04-30、05-02、05-24 ゆうすげ→ゆふすげ
■ 人それぞれに言葉遣いがあり、詠み方がある。
■ 最後の頁から読んでいって、自分だったらこう作る、幾つか、そんなことをしてみた。
■ これで歌の心を読み得たかどうか、・・・

○ 東崎 はた西崎も尋ねゆき島人と逢ひしかの日恋ほしも   美智子
  岬の名 東はあがり 西はいり 与那国島に 沈む夕日よ  遊水
  注、あがりざき、と入力すると、東崎と変換された。

○ 我が生れし季節に入れば石蕗の花咲きてうれしその道をゆく
  つわぶきの 花咲く道の うれしさよ 生まれ親しむ 季節となりて

○ 「雪」といふまごの声に見し窓にまこと雪かと花舞ひしきる
  ゆきという 幼な児の声 窓の外 まこと雪かと 花舞いしきる

○ 田植待つ稲田は水をたたへをり青葉の山の峯を映してすがし
  田植え前 青葉の山の 峯映す みなも静かに すがしかりけり

○ この年の孵化いかならむ翡翠の抱卵すとふ巣のあたり見ゆ
  出入りする 翡翠ありて 思うかな 今年も無事に 巣立つだろうか

○ 新緑のひと時ここに憩ふらし声のやさしくコマドリの鳴く
  新緑の ツツジの茂み 探し見る いななく声は まさに駒鳥

○ 大鷹のしげく来れば園の池に野鴨の姿この頃見えず
  中央に コガモ集まり 鳴き騒ぐ 見上げる空に ハイタカの影

○ 雨多き春すぎゆきてやうやくに桐の花咲く初夏となりたり
  桐の花 見上げるころと なりにけり 雨多く降る 日々も去りゆき

○ 鳥渡る季節となりてこの年も鴨の飛来を楽しみて待つ
  渡りくる 鳥の季節と なりたれば オシドリの数 数え楽しむ

○ 思ひつつ言い得ぬ心さやかにもしめせる詞よむとき楽し
  思っても 言葉にできぬ もどかしさ やはり言葉は 真似がたきもの


  思い出は ふたりこぎする 自転車よ ニッコウキスゲの 花咲く頃に  遊水
  ゆうすげは 古今和歌集 貫之の 歌に詠まれし 恋忘れ草       遊水

■ 野鳥を詠んだ歌が幾つもあり、野鳥撮影を日課としているので接点があると感じた。
■ 小林秀雄が「言葉」に引用して、本居宣長に、「姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ」という言葉がある。と。「まこと雪かと花舞しきる」はまさにこのことで、花吹雪をこのように詠んだ歌は今まで見たことがなかった

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